シート防水

ゴムシート防水

ゴムシート防水は、シート状に成形した合成ゴム系の防水シートを接着剤などで下地に貼り付ける工法。
シートそのものは安定した分子構造を持ち、ゴムのため伸縮性が高く、耐候性にも優れます。
しかし、シート同士の接着は接着剤と粘着テープにて行うため、溶融一体化しないという特徴も。

コスト面は比較的安く、手軽かつ短工期で済む工法なので、目立ちにくいところの工事や応急処置として重宝する防水工事と言えます。

軽量であるのも大きな特徴で、上に保護層を塗れば軽歩行も可能です。

ゴムシート防水のメリットとデメリット

● メリット
ゴムシート防水の長所は、合成ゴム特有の伸縮性の高さと下地の亀裂にも柔軟に追随すること。
温度による物性変化が少ないため、施工地域による制約も少なく、耐用年数が長く経済的です。

基本はゴムシートを接着剤と粘着テープによって貼り付けるだけのため、短工期かつ低コストが実現。
目立ちにくいところの防水工事や応急処置にも最適です。

また、軽量であることから木造建築への施工にも向いています。

● デメリット
ゴムシート防水は、しっかり接着させるため、下地が平らである必要があります。
そのため、複雑な形状の下地には不向きな工法です。
シート同士を貼り合わせるので、接着剤の性能がそのまま防水の性能を左右することとなり、接着剤の耐用年数に気をつけなければいけません。

また、紫外線でシートが次第に劣化していくことと、シート自体が薄く鳥害や衝撃に弱いというデメリットもあります。

塩ビシート防水

塩ビシート防水は、塩化ビニール樹脂で作られた防水シートを接着剤などで下地に貼り付ける工法。
シートを接着剤で貼るだけなので、施工性に優れており、複雑な形状や狭い場所にも最適です。
シート同士のジョイントがたくさん発生した場合でも、シート同士を熱風で溶かして一体化することもできます。

紫外線・熱・オゾンに対して優れた耐久性を持ち合わせ、耐候性の高さや鳥害も受けません。

単層防水のため短工期・低コストで済むだけでなく、色や模様がプリントされた意匠性に優れたシートもございます。
接着工法と機械的固定工法があり、後者では下地が湿潤状態でも施工が可能です。

塩ビシート防水のメリットとデメリット

● メリット
塩ビシート防水は、紫外線・熱・オゾンに優れた耐久性があるだけでなく、中にはカラフルな色や模様を生かしたシートもあるため、意匠性にも優れています。
高い伸縮率と耐摩耗性を持ち、保護層なしでシートの上を軽歩行可能です。

また、鳥のついばみによる穴開け被害が発生しにくいのも特徴。
シートは柔らかくて曲げやすいので施工しやすく、下地の撤去が必要ないため改修工事の際に最適です。
さらに短工期・低コストで済みます。

● デメリット
シートを使用するため、接着性を高めるには下地が平らでなければいけません。
シート同士の接合をしっかりする必要がありますが、接着剤でうまくいかない場合は、熱風で溶かして接着する必要があります。

また、塩化ビニールは元々硬い素材で、柔らかくするために“可塑剤”が添加されていますが、それが気化すると当然硬くなり、割れやすくなります。

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