ウレタン防水は、ポリイソシアネートを主成分とする主剤と、ポリオールを主成分とする硬化剤を、撹拌して塗膜する防水法です。
複雑な下地の形状でも馴染みやすく、水密性の高い防水層を形成します。
現在国内で行われている防水工事の中で、半数近くを占めると言われるほど人気の工法。
材料を塗るだけなので、改修工事としての作業が単純かつ短工期で済み、コストも全面改修に比べて半分以下で済みます。
また、撤去する廃材も出ないため、環境保全・産廃処理の観点からも優れた防水工法と言えるでしょう。
ウレタン防水のメリットとデメリット
● メリット
ウレタン防水は、液体のウレタンを塗膜することによって防水層を形成するため、下地の形状に馴染みやすい・簡単かつ短工期で施工可能・低コストであることがメリット。
さらにシームレスな防水層ができるので、屋上やベランダなど施工箇所を問いません。
また、臭いや施工時の熱の発生もないので、周辺環境へも優しい工法です。
既存の防水層があってもその上から施工でき、また高性能のウレタンを重ね塗りして弾性を高めることもできます。
● デメリット
ウレタン防水は簡単かつ安価に防水層を塗膜できることから、国内で広く使われています。
そんな特徴から、デメリットらしいデメリットはあまりありません。
しかしあえて挙げるなら、人の手で塗るため、完全に均一な防水層、完全な外観にはならないということでしょうか。
もちろんこれは、専用の機器を用いることで、最低限気にしないようにすることも可能です。
また、経年による劣化と亀裂に弱い点も挙げられます。
このような症状は、上から重ね塗りすることによって解決することができます。
ウレタン防水の二つの工法
下地の種類や状態によって、あらゆる箇所に対応できるウレタン防水。
“密着工法”と“通気緩衝工法”を使い分けることで、より現場に合った防水を施すことができます。
□ コスト重視の場合 … 【密着工法】 約1~5年ほど、防水機能を維持させることが可能。
□ 耐久性重視の場合 … 【気緩衝工法】 約10~15年ほど、耐久性のある防水層を維持させることが可能。